2012年2月26日日曜日

秋葉祭り、その2『残照』



朝から晩まで、立ちっ放し。
道具をいっぱい持っての取材は、さすがに疲れる。
今年は、三脚も持って行った。邪魔だった。

遅れての、現地着だったので駆け足気味に、撮って行く。
よく晴れていい気持ち、とりあえず青空を。
横笛の少年。
早めに、主会場までやってきたのだが、それでも
自分の場所は、得られなかった。

午後2時過ぎ。
此処は一番乗り。
最前列に三脚をセットして行列の到着を1時間近く
待った。かつてこの位置で見たことがなかったので楽
しみに待ったのだが、予定より遅れ気味で行列が近づ
いて来たら折角の場所取りもまったく無意味、カメラ
の前に人だかりができてしまった。ちょっとむかつい
たが、所詮世の中こんなもの、と諦めることにした。
達成感。
動画を撮っている女性の後から、そっと覗く。
動画もいいもんだ、とビデオも撮ってみたくなる。
残照。
祭りは、もうすぐ終わる。気の早い人たちは、
すでに、山を下り始めている。
帰りは、人の動きにただ流されるごとくに山を下りる。
陽が落ちると、どんどん冷え込んで来る。



2012年2月23日木曜日

秋葉祭り、その1


R197からひと山越えて、R33沿い旧仁淀村(現仁淀川町)の
『秋葉祭り』へ行った。

四国山地の中腹仁淀川の上流に位置し、南国とはいっても
この地域は、冬には雪も降るしたいへん寒い山里である。

2月11日、例によって朝は久礼湾で夜を明かし、
嬉しいことには、鳥の乱舞を初めて見た。
(犬の散歩の狭心症のおっちゃんによれば、水面に小魚が
集まっていたらしい。鳥達の朝食時だったんだそうな。)
よく晴れて、ギャラリーは、少なくとも例年の倍は
いる。祭りを撮るには、人ごみをかき分けて前進しな
ければならない。これは面倒くさい。諦めた。

久礼湾から此処まで、香川ナンバーの白いプリウスについて来た。
光を撮ることにした。
これなら、群集の合間から覗けるものだけ狙えばいいし、

プリウスが、須崎から佐川、越知町を過ぎても、まさか同じ目的地
を目指して走っているとは思いもしなかった。
冬の、しかも山間の澄みきった空気を潜りぬけてきた光は、
柔らかで爽やかでじつに気持ちがよい。

白い車は、自分の速度にたいへんうまくマッチしていた。
陽水を聴きながら、前の車に適度の距離を置いて、
くっついて走った。楽だった。
少年。

R33から左折し、山にシフトしたとき、目的が同じで
あることを確認。ここからは追随を意識。
巫女さん役の小学生。
舞を披露している頃は、とても近づけなかった。

駐車も結局隣になった。
「久礼から、ずっといっしょでしたね。」声を掛けられた。
プリウスも、ちゃんと意識して走っていたんだ。
見物客の中に、かわいい少女がいた。
上手い具合にスポットライトが彼女を照らした。

彼は、ダルマ朝日を撮るために高松から久礼湾まで
来るのだそうな。しかし、今日もダメだった話。
祭りで、一番偉い人?
メイン会場。
輝いて、光って。

この祭りは、毎年必ずやって来る。
ここに来ると、ふるさとに帰ったような気がして嬉しくなってくる。
実際に住んでいる所は、同じような過疎の山奥なんですが・・・。

白い車の彼、名前も聞かずじまいだった。
帰り支度の4時頃、すでにその車はいなかった。

2012年2月20日月曜日

つれない海

2月12日、佐田岬半島。
よく晴れた。
青い空と太陽の光に誘われて、海へ、

半島の中央辺りで、標識『足成』を見た。
もちろん此処がどんな所か予備知識などない。
八卦よと、行ってみることにした。
途中、この道を選んだことを後悔しながら、狭い道路を、傍目にはなんとも心細い運転で、
しかし、意外と本人は自信たっぷりで海に向かって走って行った。
集落で少年にあった。
”父親は、大きな船を持っており沖で漁をしている、
自分も将来は、漁師になる。”らしい。
しばらく、付き合ってくれた。正午の合図で帰って行った。
一見温かそうな日差しだが、この日は風が強くて非常に寒かった。 
家は、およそ30軒くらいだが、空き家が目立って寂しい。

後で聞いたのだが、此処はマニアにはよく知られた釣りの穴場なんだそうな。
船着き場に付き座って盛んに竿を振る老人がいた。
近寄ったら先手を打たれた、「兄さん、釣り情報かよ?」
正直に、「素人の写真気違い」であることを告げる。
『素人』に、いささかがっかり感が見て取れたが、
この爺さん、取材にはすっかり慣れていそうで、
釣り上げる度にポーズを決めてくれる。
情報誌に、3回載ったことを自慢げに話してくれた。

瞬く間に、5〜6匹釣り上げた。
あげくに、「今日は、釣れん。普段の半分」言うことがにくい。 
釣り情報の爺さんが、潮が悪いので『今日は釣れん』
と教えてくれた場所を覗いてみた。
「以前は、この堤防でヤリイカがよう穫れた。」(爺さん)
街路灯のようなものがあったから、とのこと。

情報通り、一匹も上がらん・・・
「代わりに、アオリイカが穫れるようになった。」

結局、堤防では”潮のせい”でまったく釣れなかった。情報通り。
「どうぜよ、吊れよらんろうがよ?」
爺さんは、話も、竿も快調そのものだった。

2012年2月14日火曜日

UFO を見たかよ?

『UFO』
まるで、縁の無い話と思っていた。
いつもの久礼湾、黎明は5時半頃。
遠くに蜃気楼による浮き島が見える。
海に通いよったら、島が浮いたち、ちっとも珍しいことでもないが
我が家では、こんなことで大騒ぎになる。
大体にして、ひょっこりひょうたんじまじゃあるまいし、
島が浮くわけがない。家族には、証拠が無いと信用されない。

漁船を感度を目一杯にして、撮った。
予想外にキレイに撮れた、は、甘い・・・?
少し明るくなって、鳥も目を覚まし始めた頃、
東の空に一点の雲?飛行機雲とはちょっと違って見える。
スワッ、『UFO』
UFOなんて、話だけでは、職員はおろか家族にしても、
信用すりゃあせん。”また、大ボラ吹きやがって、”が落ち。
レンズは短いが、とりあえず証拠を。
UFOが大気圏に突入し摩擦で燃えちゃった?
思いっきりトリミングしたら、炎だけになった。

職員も家族もみんな信用してくれた。
「UFOを見たよ。」の段階では、予想通り誰も話に乗って
こなかった。
UFOの後、今度は反対側の空に目をやった。
渡り鳥が、勇敢にも団体で、月に飛び込もうとしていた。
急ぎ、カメラの向きを変えてその瞬間を待った。しかし、
残念ながら、彼らは身の程をわきまえており月には向かわなかった。
夜明けまで、じつに色々たくさんあった。
太陽も、なんとも中途半端なダルマになった。
自分的には、「らしくて、いいか・・・」。
いつもの老人がいつもの犬とやってきた。
すっかり、お馴染みさんである。犬とは、依然敵対関係のまま。
じつによく晴れた。今日一日は、「亭主は、外」と
しっかり、おにぎり弁当を持たされている。
ならば一日、元気に外、を決めた。
これより、佐田岬半島を目指す。
今日は、ダルマになったかよ?。
最近では、このおっちゃんとも友好関係に、

『今日は、UFOを撮ったぜよ!』

2012年2月9日木曜日

孤独 on Sunday

日曜日なのに、午後から講演会への参加を
予定している。写真したいのに・・・
定刻までの”貴重な時間”、会場近辺を歩いてみた。
会場は、須崎市文化会館。
朝5時頃から須崎市。『不審者を見たら警察に』。

堤防で、釣り人を、
気温が低い。多分今朝も氷点下。
久礼湾の放射冷却が見たくなる。急遽、久礼湾へ。
期待以上の海霧が見られた。

海からの帰りに、川を覗けば孤独なサギが、
海霧取材のカメラマンが撮影を終えて去った後、
犬を連れた老人が散歩にやって来た。
この犬、相当な臆病者。オレの顔を見て逃げようとする。 
高速道路が出来て寂しくなった国道197号線を
久しぶりに土佐市まで走ってみた。
ここでもお年寄りと犬の散歩に出会った。
小さな良心市。
人通りも無ければ、商品も無かった。
須崎市横浪?
土佐市宇佐。
お遍路さんの休憩所。
毛布とかふとんがあって軽く暖が取れるようになっていた。
誰もいなかった。
海を眺めているお年寄りがいた。
『不審者』は、おまわりさんが怖いので女性には
軽々しく声を掛けるのは躊躇われる。
須崎市野見湾。
重い空から、すでにポツポツきだした。
釣り人は、まだ気づかないのかひたすら釣り糸を
垂らしたままでいる。
ネコは、急ぎ家路に。
サギは、まだ満たされていないらしく、水面から
目を離さない。

雨脚は、瞬く間に激しさを増して
ネコは早めに、もちろんサギも去り、釣り人達も
慌ただしく消えて行った。
喧噪が去って寂しくなった海を独り眺めながら
妻の弁当を食べている・・・。

講演会には、定刻前きちんと出席しました。

2012年2月6日月曜日

回らない水車

氷点下5度、寒い。
東北や北海道の豪雪とは比較にもならないが、

窓の雪、
蛍雪時代を想う。我、団塊の世代なり。
四国山地のこの小さな盆地の里では、雪は決して
珍しいことではない。12月『龍馬の宿』で紹介の
とおり「冬には雪」は至って自然、
それでも、マイナス5度は冷える。
この寒さの中、友を待つ高校生がいた。
一言、「撮らせてよ?」
ほほえんで、サインは『OK』。
水車が、動いていなかった。
水は、糸を引いていた。
この女性、カメラを意識して傘を前に倒したのではない。
ちょっと強めの風が正面から吹いてきたからなのである。
以前、幼稚園があった個所。

ウメモドキ?
植物名はよく分からん。
とにかく、白い季節の赤は目立つので、撮ってみた。

これから、職場へ
仕事を終えての帰り道。午後5時半頃。
津野町高野地区で、ここでも氷ついた水車を撮る。
この水車小屋の隣で、つい最近お餅屋さんが開業した。
弁当も売っている。餅も弁当も、これが結構うまい。
「水車を撮ってくれてありがとう」、と弁当をくれた。
おばさんは、さっさと店じまいをして帰って行った。
さらに、30分ほど粘って昇ってきた月を撮って家路。